「商品紹介動画を作りたい」と考えたとき、多くの方がまずイメージするのは、展示会や商談で流す華やかなプロモーション映像かもしれません。しかし、現代のビジネスシーンにおいて、商品紹介動画の役割は劇的に広がっています。
新規顧客を獲得するための「攻め」の動画もあれば、導入後の顧客満足度を高め、サポートコストを削減するための「守り」の動画(マニュアル・チュートリアル)もあります。
これらの動画を制作する際、最も陥りやすい失敗が「目的が曖昧なまま、とりあえず綺麗に撮ってしまうこと」です。本記事では、事例や顧客心理のプロセスを踏まえつつ、あらゆるフェーズで機能する動画を作るための「目的設計」の重要性を深掘りします。
VIIDEOXの運営者:映像制作会社AVENDER
商品紹介動画の「3つの領域」とそれぞれの目的
商品紹介動画は、活用されるシーンによって設計図が全く異なります。まずは、自社が今、どの領域の課題を解決したいのかを明確にしましょう。
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動画の種類 |
主な目的 |
ターゲットの心理 |
最重要視すべき指標例 |
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販促・PR動画 |
成約・リード獲得 |
「自分に関係あるか?」という疑い |
コンバージョン率 (CVR) |
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商談・営業支援 |
理解促進・ブランドイメージ向上・商談の標準化 |
「本当に信頼できるか?」という確認 |
商談進捗率・成約数 |
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マニュアル動画 |
満足度向上・工数削減 |
「どうすれば使えるか?」という焦り |
使い方に関する問い合わせ削減数 |
① 販促・PR動画:顧客の「興味」と「決断」を促す
いわゆる営業ツールとしての動画です。
目的: 認知獲得、リード獲得、商談の成約率向上。
設計の肝: 顧客の「悩み」に共感し、解決後の「ベネフィット」を提示すること。
ポイント: 短時間で印象に残る構成。商談用であれば、営業担当者が説明しにくい「仕組みの可視化」に特化するのが効果的です。
↓参考事例(他社事例が含まれます。)
引用元:コクヨ公式チャンネル
引用元:フジオーショップ公式チャンネル
このように、短時間でベネフィットを伝え、興味喚起に特化した構成が特徴です。
② 商談・営業支援動画:成約率を底上げする「営業の武器」
商談用動画の役割は、単なる商品説明ではありません。営業担当者のスキルに依存せず、「誰が商談しても同じクオリティで価値を伝える」という営業の標準化と、検討スピードの加速が目的です。
例えば、商談で会社紹介のパワポを長々と読むよりも、2-3分の企業紹介動画を見てもらう方が、理解促進に繋がるとともに、しっかりとしてる会社だなと思われやすくなるでしょう。
目的: 理解促進・ブランドイメージ向上・商談の標準化、検討スピードの加速、決裁権者へのアピール。
設計の肝: 全体イメージを提示。顧客の「不明点」を先回りして解消し、導入後の「具体的イメージ」を想像させること。
ポイント: 信頼性を高める構成。口頭では伝えきれない内容を補完するのが効果的です。
↓参考事例(他社事例が含まれます。)
引用元:富士通株式会社公式チャンネル
引用元:株式会社オーエム製作所公式チャンネル
商談用動画では、全体像の理解と信頼感の醸成が重要になります。短時間で口頭では伝えきれない内容を補完する構成になっている点がポイントです。
③ マニュアル動画:顧客の理解促進サポート、社内負担削減
導入後のユーザー向け、あるいは製品の使い道を説明するマニュアル的な動画です。場合によっては、社内教育用動画としても利用可能です。
目的: カスタマーサポート工数の削減、LTV(顧客生涯価値)の向上、初期離脱の防止。
設計の肝: 「迷わせない」こと。網羅性よりも、つまづきやすいポイントの明快な解説が求められます。
ポイント: 1本に詰め込みすぎず、商品や機能ごとに小分けにすることで、ユーザーが必要な時にすぐ見られる設計にできます。
↓参考事例(他社事例が含まれます。)
引用元:テクノツリー公式チャンネル
引用元:Chatwork公式チャンネル
実際の操作をそのまま見せることで、「読む」よりも直感的に理解できる設計になっています。
クオリティを左右する「目的設計」の4ステップ
どのような種類の動画であっても、制作前に以下の4ステップを整理することが、クオリティアップと成果に繋がるために重要です。
STEP 1:視聴後の「具体的な行動」を定義する
「動画を見て良かった」という感想で終わらせてはいけません。
販促・商談なら: 「商品詳細ボタンをクリックする」「営業担当者に具体的な見積もりを依頼する」
マニュアルなら: 「自分一人で初期設定を完了させる」「エラー時に自己解決し、サポートへの電話を思いとどまる」 この「視聴後のゴール」を逆算し、そこから逆算して構成を組み立てます。
STEP 2:視聴環境を想定する
動画は「どこで」「どのような状況で」見られますか?
移動中のスマホなら: 音声が出せないことが多いため「テロップ(字幕)」による補足が必須です。
商談中に横で説明しながら流すなら: 営業担当者の声を邪魔しないよう、音声はBGMと効果音のみの方が使い勝手が良くなります。
マニュアルなら: 操作画面のUIが細部まで見えるよう、あえて実写ではなく「高精細なキャプチャ映像」をメインに据える必要があります。
STEP 3:スペックではなく「価値の翻訳」を行う
読者が求めているのは、商品の機能一覧ではなく「それを使うことで、自分はどう変わるのか」という未来の姿です。
販促なら: 機能の紹介を「この機能によって、あなたの作業時間が半分になります」というベネフィット(便益)に翻訳して伝えます。
マニュアルなら: 操作方法をただ並べるのではなく、「ここのボタンを3秒間押すと設定可能です」と、実演を交えてユーザーが操作を行うことで、視覚的に理解しやすくなります。 この「価値の翻訳」ができているかどうかで、視聴者の納得感は劇的に変わります。
STEP 4:「次の一手」への導線(CTA)を設計する
例えば、動画のラスト数秒で、視聴者の背中を適切に押すステップです。
販促なら: 視聴後にすぐ行動できるよう、画面上にQRコードを表示したり、概要欄のリンクへ誘導する明確な一言を入れます。
マニュアルなら: 「もし解決しない場合は、こちらのFAQへ」といった補足情報の案内や、「設定完了後の最初の操作」を促す指示を出します。 動画が終わった瞬間に視聴者を迷わせない「出口」を作ることが、成果を最大化させる補助となります。
当記事の執筆者:映像制作会社AVENDERでは、ただ作業的に制作を請け負うだけではなく、制作前に「目的や効果のために、用途や手段は適切なのか」等を整理するところからスタートします。小規模な法人ではございますが、事前ヒアリングや設計を固めることで、完成後に「効果のない動画」になるリスクを下げることを心掛けています。また、ワンストップ体制の効率的な制作体制により、コミュニケーションのスムーズさ、クオリティ、コストパフォーマンスを両立しています。
マニュアル動画における「目的設計」の落とし穴
「紹介」の一環としてのマニュアル動画についても少し触れておきます。ここは販促動画以上に「設計」の差が出やすい領域です。
「取扱説明書の映像化」になっていないか
紙のマニュアルをそのまま読み上げるような動画は、ユーザーに好まれません。それならマニュアルを読む方が早いのです。
動画の強みは「動き」です。
Before: 「Aボタンを3秒間長押ししてください」というテキスト。
After: 実際に指で押し、ランプが点滅する様子をクローズアップした映像。
このように、直感的に「真似できる」ように設計することで、ユーザーのストレスは激減します。結果として、「この製品は使いやすい」という評価(カスタマーサクセス)に直結するのです。
依頼前に準備すべき「情報の整理」
動画制作をプロに依頼する際、丸投げでは期待した成果は得られません。クオリティを上げるために、例として、以下のような情報を準備しておくと、制作プロセスが劇的にスムーズになります。
※必ずしも、全ての前提を用意しておく必要があるという訳ではありません。
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項目 |
内容・具体例 |
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ターゲット像 |
年齢・性別・職種・役職・業界などの基本属性に加え、「どんな状況でこの商品に興味を持つのか?」というシチュエーションまで具体化する。例:現場で業務効率に課題を感じている30代の営業担当者など。 |
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課題・悩み(インサイト) |
ターゲットが抱えている課題は何か?どの瞬間に困るのか?例:作業に時間がかかる/使い方が分かりづらい/比較検討が難しいなど。 |
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活用シーン(導線) |
動画はどこで使われるか?例:Webサイト、YouTube、展示会、商談、広告、採用ページ、マニュアルなど。※ここで構成が大きく変わる。 |
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動画の目的 |
認知獲得/理解促進/比較検討/成約/サポート/教育など、どのフェーズを担う動画なのか。※1本で全部やろうとしないことが重要。 |
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視聴環境 |
スマホかPCか、音声ありか無しか、商談中か一人視聴か。例:電車内なら字幕必須、商談ならナレーション不要など。 |
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差別化ポイント |
競合と比べて絶対に伝えるべき強みは何か?例:価格、性能、導入実績、サポート体制など。 |
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伝える優先順位 |
全てを詰め込まず、「何を一番伝える動画なのか」を決める。例:機能ではなく導入メリットを優先するなど。 |
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活用期間・更新性 |
短期施策か長期運用か。例:展示会用(短期)/Web掲載(長期)→長期なら汎用性が重要。 |
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視聴後の行動(CTA) |
見た後に何をしてほしいか?例:購入/資料DL/設定完了/マニュアル問い合わせ減少など。 |
制作パートナーの選定基準とコミュニケーションのあり方
動画制作を依頼する際、パートナーに求めるべきは「企業の大きさ」や「撮影技術」だけではありません。
制作スタイルの選択:大規模チームか、ワンストップ体制か
大規模な制作会社には、リソースの豊富さや盤石な体制という安心感があります。TV CMやドラマの現場であれば、必然的に大規模な制作チームが求められるため、大規模な制作会社が制作を請け負うことが殆どです。
一方で「芸能人を起用した華やかさ」や「制作人員が求められる」TV CMやドラマの現場と違って、商品紹介動画のように「情報の正確性」や「現場の細かなニュアンス」が重要な領域においては、分業化された制作体制よりも、ディレクターやクリエイター自身が窓口となり、顧客の声を直接汲み取りながら制作まで一貫して行うワンストップ型の制作体制も有力な選択肢の一つです。
制作の各工程(ヒアリング・撮影・編集)で担当者が変わらない場合、初期に設計した目的が最後までブレにくく、細かな仕様変更や専門的な調整にも柔軟に対応しやすいというメリットがあります。
数十万~数百万円規模の案件においては、ディレクター自身が意思決定と制作を担う小規模な制作会社の方が、コストとクオリティのバランスに優れるケースも増えています。
近年は、機材や制作工程の進化から、小規模でかなり優良な制作会社が増えています。
プロジェクトの規模や性質(スピード感・専門性・予算)に応じて、最適なパートナーを選ぶことが重要です。
まとめ:動画制作を「経営課題の解決」に変えるために
商品紹介動画は、単なる「紹介資料」ではありません。
「営業プロセスの効率化」、「商談で勝つため」、「ユーザーを迷わせないため」、「ブランディング」など目的は様々。
「何のために作るのか」という原点に立ち返り、しっかりと目的設計を行うこと。それが、着実に成果を上げるために大切です。
記事のご拝読 ありがとうございました。弊社も商品紹介動画を含め、さまざまな動画制作に対応している制作会社の一つです。小規模な体制ではございますが、だからこそ、1つ1つのクライアントと向き合い、制作前の設計から丁寧に取り組むことを大切にしています。
もし、何か制作に関するお悩みやご相談がございましたら、お気軽に無料でご相談ください。
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