「多額の予算をかけて採用動画を作ったのに、エントリー数が全く増えない」
「自社に合わない層からの応募が増えている」
近年、採用市場における動画活用は、もはや「やって当たり前」のフェーズに入っています。2026年時点でもその流れはさらに強まっており、採用サイト・SNS・説明会など、あらゆる接点で動画が使われる時代になりました。
しかし、映像制作の現場で企業を見ていると、成果が出る会社と、「作り損」で終わってしまう会社には、明確な違いがあります。
今の採用市場では、「動画を作れば人が集まる」という考え方は通用しません。
動画はあくまで手段であり、設計が間違っていれば、かえってミスマッチを増やすことすらあります。
本記事では、採用動画で失敗しやすい会社に共通する5つの特徴を整理しながら、成果につなげるための改善ポイントを実務目線で解説します。これから採用動画を制作する企業はもちろん、すでに動画を持っていて「効果がいまいち」と感じている企業にも役立つ内容です。
採用動画で失敗する会社の特徴1|ターゲットが「誰でもいい」
採用動画における最大の失敗要因は、「誰に届けたいか」が曖昧なまま制作を始めてしまうことです。
経営者や人事担当者の中で、よくあるのが次のような言葉です。
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「とにかく若くて優秀な人がほしい」
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「できるだけ幅広い人に自社を知ってほしい」
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「まずは応募数を増やしたい」
ただ、動画マーケティングの基本として、全員に届けようとするメッセージは、誰の心にも刺さ利づらい‥という現実があります。
なぜ「誰でもいい」は失敗するのか
ターゲットを絞らないと、動画の内容はどうしても抽象的になります。
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アットホームな職場です
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やりがいがあります
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成長できる環境です
こうした言葉自体は間違っていません。ですが、どの会社でも言える内容になりやすく、求職者からすると「自分に関係ある情報」に見えにくくなります。
近年は世代を問わず、情報の取捨選択がよりシビアになっています。募集要項や企業サイトを隅々まで読み込む前に、「まずは短時間で雰囲気を掴んでから判断する」という行動が一般化しました。採用動画は、社内の空気感・人柄・価値観を短時間で直感的に伝えられるため、選考前の理解コストを下げ、ミスマッチの予防にもつながります。
つまり、動画で重要なのは、「広く浅く」ではなく、「誰に、どういった魅力を、どう伝えるか」です。
改善策|「理想の1人」を先に決める
採用動画を成功させるには、まず「理想の応募者」を具体的に言語化するところから始めるのが効果的です。例えば、こんなレベルまで絞ります。
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大手企業で働いているが、仕事の手触り感が薄く、自分の裁量を求めている30代前半のWebエンジニア
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地元で長く働きたいが、今の職場では評価されにくいと感じている20代後半の製造スタッフ
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人との関わりが好きで、数字だけでなく感謝される実感を重視する20代の営業職志望
ここまで具体化すると、動画の中で何を見せるべきかが決まってきます。
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どんな社員を出すか
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どんな言葉を使うか
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どのシーンを冒頭に置くか
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どんな不安を先回りして解消するか
採用動画の目的は、応募数を増やすことだけではありません。自社に合う人からの応募を増やし、合わない人の離脱を促すことも、立派な成果です。
採用動画で失敗する会社の特徴2|「かっこよさ」を優先しすぎている
「映画のような質感にしたい」
「ドローンを使って壮大な映像にしたい」
「とにかくかっこいい採用動画を作りたい」
映像のクオリティにこだわること自体は、とても大事です。
ただし、採用動画においては、映像の美しさだけでは成果につながらないことが少なくありません。
なぜ「かっこよさ優先」は失敗しやすいのか
求職者が採用動画を見る本当の目的は、映像作品を鑑賞することではありません。知りたいのは、「自分がこの会社で働く姿を想像できるかどうか」です。
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どんな人がいるのか
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どういう空気感なのか
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仕事はどれくらい大変そうか
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自分にも馴染めそうか
ここが伝わらないまま、映像だけが綺麗だと、逆にこう思われることがあります。
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「広告っぽくて本音が見えない」
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「実態より盛っているのでは?」
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「全く仕事内容が見えてこない」
特に、実態とかけ離れた演出(CMのようなモデルを起用した演出、BGMにのせた雰囲気映像だけ など)は、求職者には違和感として伝わりやすいです。
改善策|映像美より「情報の解像度」を上げる
採用動画で重視すべきなのは、派手さよりも誠実さと解像度です。
たとえば、以下のようなリアルな内容は、強い説得力を持ちます。
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生き生きした社員へのインタビュー
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社長や役職者が熱い想いで、業務内容や目標について語る様子
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社員同士が議論している時の真剣な表情
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社内の整った研修制度や福利厚生などについて解説
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休憩中の自然な会話や笑い声
こうした映像は派手ではありませんが、求職者にとっては「この会社、ちゃんとしていそう」「現場の温度がわかる」という信頼につながります。
採用動画は、かっこいい作品ではなく、信頼される情報コンテンツとして設計する視点が重要です。
採用動画で失敗する会社の特徴3|経営者・人事の「言いたいこと」だけを詰め込む(企業目線の押し付け)
採用動画の構成でよくある失敗が、企業側の伝えたいことを詰め込みすぎるケースです。
たとえば、
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会社沿革の説明が長い
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社長メッセージが長尺
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理念やビジョンの話が抽象的なまま続く
これらは企業側にとっては大切な情報ですが、求職者の目線では、「自分に関係ある情報」として入ってこないことがあります。
なぜ企業目線だけだと失敗するのか
求職者が知りたいのは、会社の建前よりも、現場でそれがどう実現されているかです。
社長が「風通しの良い会社です」と語るより、現場の若手社員が自然に意見を言っているシーンの方が、何倍も伝わります。
制度の説明も同じです。「研修制度があります」と言うだけではなく、実際にその制度を使って成長した社員のエピソードがあると、初めて意味のある情報になります。
改善策|主役を「現場社員」にする
採用動画で特に強いのは、現場社員の言葉とストーリーです。
具体的には、こんな問いが効果的です。
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なぜこの会社に入ったのか
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入社前に不安だったことは何か
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入ってみてギャップはあったか
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どんな時にやりがいを感じるか
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どんな人がこの会社に向いていると思うか
こうした声があるだけで、求職者は「自分ごと」として動画を見られるようになります。会社の理念や制度は不要という意味ではありません。大切なのは順番や動画内での比率です。
採用動画で失敗する会社の特徴4|動画の「出口(運用設計)」を考えていない(作って終わり)
採用動画に限らず、動画制作で非常に多いのが、制作後の運用設計が曖昧なまま公開してしまうケースです。
「とりあえずYouTubeにアップして、採用ページに貼っておけばOK」この状態だと、せっかく作った動画が十分に機能しない可能性が高いです。
なぜ作って終わりだと失敗するのか
どれだけ良い動画でも、ターゲットの目に触れなければ意味がありません。また、媒体ごとに適した見せ方が違うため、1本の動画をそのまま使い回すだけでは成果が出にくくなります。
たとえば、同じ採用動画でも用途はかなり違います。
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採用サイト(LP):会社理解を深めるための1〜3分動画
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Instagram / TikTok:冒頭数秒で惹きつける縦型ショート
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説明会・イベント:遠くから見ても伝わる構成・文字サイズ
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求人媒体:職種ごとの短い切り出し動画
ここを設計せずに作ると、
「長すぎてSNSに向かない」「横動画しかなくてリールに使いにくい」「説明会で流すと理解できない」といった問題が起きやすくなります。
改善策|最初に出口のロードマップを作る
採用動画は、制作前に「どこで使うか」を決めておくと成果が出やすくなります。
おすすめは、1回の撮影から複数の素材を作る前提で設計することです。
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メイン動画(2〜3分):採用サイト・会社説明会
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縦型ショート(15〜30秒):Instagramリール・TikTok・広告
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社員インタビュー切り出し(30〜60秒):職種別ページ・SNS投稿
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静止画キャプチャ:採用LP・求人票・SNSサムネイル
こうしておくと、同じ撮影コストでも活用範囲が広がり、投資対効果が大きく変わります。
採用動画は「1本作る」のではなく、**“採用で使える素材一式を設計する”**と考えると失敗しにくくなります。
採用動画で失敗する会社の特徴5|制作会社を「大手」「価格」だけで選んでいる
「大手だから、取り敢えず安心」「複数社から見積もりを取って、一番安い会社に決めた」これは一見合理的ですが、注意も必要です。
もちろん、大手は安心ですし、予算の制約も重要です。ただ、大手だから、安いから、と成果が出ることは別問題です。
なぜ価格だけで選ぶと失敗しやすいのか
価格が極端に安い制作会社は、どこかの工数を削っていることが多いです。その削られやすい部分が、実は最も大事な「企画・ヒアリング・設計」だったりします。
つまり、こうなりやすいです。
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深いヒアリングなしで制作スタート
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他社でも使えるテンプレ構成に当て込む
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修正回数が少なく、柔軟性が低い
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納品後の活用ヒアリングや提案がない
その結果、完成した動画は「綺麗だけど誰にも刺さらない」ものになり、結局あとから作り直しになるケースもあります。
改善策|「誰と作るか」で選ぶ
採用動画制作は、単なる作業発注ではなく、自社の魅力を一緒に掘り起こすプロジェクトです。
見積もり金額だけでなく、以下を見た方が結果につながります。
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担当者が自社の事業に興味を持ってくれているか
- 担当窓口が実際に制作に携わっているか
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採用課題を理解した上で提案してくれているか
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予算の中で優先順位を整理してくれるか
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映像の話だけでなく、運用まで考えているか
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こちらの不安や曖昧さを整理してくれるか
大事なのは、「いくらで作れるか」より、「誰と作れば成果に近づけるか」です。
失敗を防ぐために|制作前にチェックしたい5つの質問
これから採用動画を作る企業、または既存動画の改善を考えている企業は、制作前にこの5つを確認してみてください。
1. その動画の「たった1人の視聴者」を具体的に言えますか?
「誰向けか」が曖昧だと、動画全体がぼやけます。職種・年齢・経験・価値観まで言語化できると強いです。
2. 映像の綺麗さだけでなく、「社内の空気感」が伝わるインタビューやカットは入っていますか?
求職者が見ているのは、演出の派手さよりもリアルな温度感です。
3. 社長や人事の説明より、現場社員の声の比重が高くなっていますか?
採用動画では「当事者の声」の方が信頼されやすい傾向があります。
4. 動画を見たあと、求職者に何をしてほしいか決まっていますか?
応募、説明会参加、採用ページ閲覧など、次の行動(CTA)が決まっていないと成果につながりにくくなります。
5. 制作会社は、あなたの会社の課題や弱みも含めて整理してくれていますか?
「ただ作る」だけでなく、どう見せるか・何を優先するかまで一緒に考えてくれる会社の方が、結果的に成功率は高くなります。
まとめ|動画は「人を呼ぶ魔法」ではなく、出会いをつくる「架け橋」
採用動画は、作ればすぐに応募が増える魔法ではありません。一方で、会社の魅力を正しく整理し、届ける相手を明確にし、運用まで含めて設計できれば、採用成果を大きく後押しする強力な武器になります。
失敗する会社の特徴を逆から見ると、成功の条件はシンプルです。
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誰に届けるかが明確
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かっこよさよりも誠実さ・解像度を重視
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現場社員のリアルを主役にする
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作る前に出口(運用)を決める
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価格だけでなく、伴走できる相手を選ぶ
採用動画は「動画制作」ではなく、採用の設計そのものです。ここを丁寧に考えられる会社ほど、結果として大手と真正面から戦える土台ができていきます。
採用動画に関する無料相談を行いたい
採用動画は、会社によって向き不向きがあります。「作るべきかどうか」「どの型が合うか」「ショート運用までやるべきか」「そもそも動画制作に慣れていないから、制作の流れを知りたい」など、現状を伺って整理するだけでも方針が見えやすくなります。
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